[7890]
ピグマリウス
投稿日時:2003年12月13日 21:32
投稿者:楽人(ID:N3kISRA)
楽人(ガクト)と申します。今年(2003年)の夏に、千住真理子さんのコンサートを聴きに行きました。千住さんは、TVや雑誌で報道されたように、2002年に、幻の名器と言われるストラディヴァリウス「デュランティー 1716年製」を入手されています。そのコンサートでは、デュランティーの音色が聴けると期待して行ったのですが、ピグマリウスというヴァイオリンを使用されていたわけです。
コンサートの後、質問コーナーがあり、舞台上の千住さんに会場のお客さん数人が質問した時のことです。
1人のお客さんが、「千住さんは幻の名器と言われるデュランティーを入手されたわけですが、弾き心地はいかがでしょうか?」と質問しました。「弾けば弾くほど魅力的な楽器で、練習するのが楽しくなりました。これからもっともっといい音が出るようになると思います。」
続いて次のお客さんが、「今日お使いのヴァイオリンは、非常に新しいので、デュランティーではないとお見受けしますが、どんな楽器なのでしょうか?」と尋ねると「これはですね~、東京の文京楽器が作っているピグマリウスというヴァイオリンです。10年くらい愛用しています。これは知る人ぞ知る名器なんです。練習だけではなくて、今日のように本番でも時々使ってます。」
そのコンサートでは、ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」の他、小品が何曲か演奏されました。伴奏者が非常に若かったせいか、元気良く弾き過ぎてピアノ伴奏がうるさいくらいでしたが、それでも私が座っていた後方の席までピグマリウスの音は、ピアノ伴奏に負けずに、はっきりと聞えてきました。(ピアノはスタインウェイのフルコンサートグランドでした)
でも、デュランティーのようなストラディヴァリウスの名器を手に入れてしまったら、もう他のヴァイオリンなど弾きたくなくなるのではないか(他のヴァイオリンでは満足できないのではないか)、と思うのですが、どうなんでしょうか?他のヴァイオリンを弾く暇があったら、その時間をストラディヴァリウスを弾くために使いたいと思うのが自然だと思うのですが。
時々は、サブの楽器も、練習のときくらいは弾いてやらないと調子が悪くなって鳴らなくなったりするでしょうから、練習で時々使うというのなら理解できますが、本番でまで使うというのは何か特別な意図があるのでしょうか?
私もヴァイオリンを弾きますが、50万円のヴァイオリンから150万円のヴァイオリンに移行したとき、最初のうちは、50万円のヴァイオリンも何かあったときの予備として持っていよう、ということで時々練習に使っていましたが、150万円のヴァイオリンの音に耳が慣れてしまうと、もう50万円のヴァイオリンの音では満足できなくなって全然使わなくなってしまいました。
150万円と50万円でもこんな具合ですから、まして数億円はするというストラディヴァリウスの名器に耳も体も慣れてしまったら、とても他の楽器では満足できないと思うのです。
TVや雑誌などを見た限りでは、千住さんは、デュランティーに惚れ込んでおられるようなだけに、他の楽器を使っておられることが不思議でたまらないのです。
例えば、五嶋みどりさんは、毎年、小学校・中学校などの体育館での無料レクチャーコンサートを盛んにされていますが、そうした条件の悪い場所でのコンサートでも、必ず、ストラディヴァリやガルネリの名器を使用されています。(みどりさんは、以前はストラディヴァリウス「ジュピター」を、現在はガルネリ・デル・ジェス「エクス・フーベルマン(ギブソン)」を使用されています。)
空調設備の整っていない体育館で、大勢の生徒の前で演奏する場合、気温や湿度の点では、オールドの名器にとっては良くないコンディションの場合(特に雨の日など)もあると思いますが、それでも、みどりさんは、本格的なコンサートと同じくオールドの名器を使用されています。
この辺の考え方は、演奏家によって違うとは思いますが、素人的に考えると、みどりさんのように、名器を入手した以上は練習でも本番でも常に名器だけを使用するのが普通だと思うのですが、どうなんでしょうか?
実際に聴いてみて、千住さんのピグマリウスがコンサートで使えるだけの素晴らしい楽器だということは理解できましたが、どう考えたって、300年近くが経過したストラディヴァリウスの名器には及ぶはずがないだろうと思います。
どなたかこの疑問を解決していただけませんか?よろしくお願いします。
コンサートの後、質問コーナーがあり、舞台上の千住さんに会場のお客さん数人が質問した時のことです。
1人のお客さんが、「千住さんは幻の名器と言われるデュランティーを入手されたわけですが、弾き心地はいかがでしょうか?」と質問しました。「弾けば弾くほど魅力的な楽器で、練習するのが楽しくなりました。これからもっともっといい音が出るようになると思います。」
続いて次のお客さんが、「今日お使いのヴァイオリンは、非常に新しいので、デュランティーではないとお見受けしますが、どんな楽器なのでしょうか?」と尋ねると「これはですね~、東京の文京楽器が作っているピグマリウスというヴァイオリンです。10年くらい愛用しています。これは知る人ぞ知る名器なんです。練習だけではなくて、今日のように本番でも時々使ってます。」
そのコンサートでは、ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」の他、小品が何曲か演奏されました。伴奏者が非常に若かったせいか、元気良く弾き過ぎてピアノ伴奏がうるさいくらいでしたが、それでも私が座っていた後方の席までピグマリウスの音は、ピアノ伴奏に負けずに、はっきりと聞えてきました。(ピアノはスタインウェイのフルコンサートグランドでした)
でも、デュランティーのようなストラディヴァリウスの名器を手に入れてしまったら、もう他のヴァイオリンなど弾きたくなくなるのではないか(他のヴァイオリンでは満足できないのではないか)、と思うのですが、どうなんでしょうか?他のヴァイオリンを弾く暇があったら、その時間をストラディヴァリウスを弾くために使いたいと思うのが自然だと思うのですが。
時々は、サブの楽器も、練習のときくらいは弾いてやらないと調子が悪くなって鳴らなくなったりするでしょうから、練習で時々使うというのなら理解できますが、本番でまで使うというのは何か特別な意図があるのでしょうか?
私もヴァイオリンを弾きますが、50万円のヴァイオリンから150万円のヴァイオリンに移行したとき、最初のうちは、50万円のヴァイオリンも何かあったときの予備として持っていよう、ということで時々練習に使っていましたが、150万円のヴァイオリンの音に耳が慣れてしまうと、もう50万円のヴァイオリンの音では満足できなくなって全然使わなくなってしまいました。
150万円と50万円でもこんな具合ですから、まして数億円はするというストラディヴァリウスの名器に耳も体も慣れてしまったら、とても他の楽器では満足できないと思うのです。
TVや雑誌などを見た限りでは、千住さんは、デュランティーに惚れ込んでおられるようなだけに、他の楽器を使っておられることが不思議でたまらないのです。
例えば、五嶋みどりさんは、毎年、小学校・中学校などの体育館での無料レクチャーコンサートを盛んにされていますが、そうした条件の悪い場所でのコンサートでも、必ず、ストラディヴァリやガルネリの名器を使用されています。(みどりさんは、以前はストラディヴァリウス「ジュピター」を、現在はガルネリ・デル・ジェス「エクス・フーベルマン(ギブソン)」を使用されています。)
空調設備の整っていない体育館で、大勢の生徒の前で演奏する場合、気温や湿度の点では、オールドの名器にとっては良くないコンディションの場合(特に雨の日など)もあると思いますが、それでも、みどりさんは、本格的なコンサートと同じくオールドの名器を使用されています。
この辺の考え方は、演奏家によって違うとは思いますが、素人的に考えると、みどりさんのように、名器を入手した以上は練習でも本番でも常に名器だけを使用するのが普通だと思うのですが、どうなんでしょうか?
実際に聴いてみて、千住さんのピグマリウスがコンサートで使えるだけの素晴らしい楽器だということは理解できましたが、どう考えたって、300年近くが経過したストラディヴァリウスの名器には及ぶはずがないだろうと思います。
どなたかこの疑問を解決していただけませんか?よろしくお願いします。
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5 / 7 ページ [ 68コメント ]
【ご参考】
[8153]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月24日 21:32
投稿者:yc(ID:OFIZEpE)
Duranty Model、一応あるんですよね。。。
ご興味があれば文京楽器にお越し下さい。冷やかし歓迎です。
ご興味があれば文京楽器にお越し下さい。冷やかし歓迎です。
[8156]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月24日 22:58
投稿者:天音のパパ(ID:ITZicAQ)
http://www.bunkyo-gakki.com/rebirth.html
を見ても価格のことが載ってませんが、リバースは、いくらなんですか?
を見ても価格のことが載ってませんが、リバースは、いくらなんですか?
[8170]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月25日 13:15
投稿者:yc(ID:FgciOVM)
Rebirthはオープンプライスです。
ご興味がありましたら、詳しくは販売元にお問い合わせ下さい。
ご興味がありましたら、詳しくは販売元にお問い合わせ下さい。
[8172]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月25日 17:46
投稿者:アリエス(ID:N3MiFhE)
なんとデュランティのリバースあるんですねー!新幹線に乗って東京さ行って拝ませてもうらおうべか。
リバースのストラドモデルとガルネリモデルは、150万円のと200万円のを弾いたことがあります。高い方が材料が良くて多少凝った作りになっているように思いました。実際にリバースを見てみるとわかりますが、ピグマリウスよりも(良い意味での)個体差があるので、値段がオープンプライスというのは納得できますね。
デュランティモデルだとかなり気合入っていてすごく高そうな感じがしますが、販売元のyc様、ずばりデュランティのリバースはおいくら?
リバースのストラドモデルとガルネリモデルは、150万円のと200万円のを弾いたことがあります。高い方が材料が良くて多少凝った作りになっているように思いました。実際にリバースを見てみるとわかりますが、ピグマリウスよりも(良い意味での)個体差があるので、値段がオープンプライスというのは納得できますね。
デュランティモデルだとかなり気合入っていてすごく高そうな感じがしますが、販売元のyc様、ずばりデュランティのリバースはおいくら?
[8174]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月25日 20:15
投稿者:rio(ID:JFYEYVU)
>Duranty Model、一応あるんですよね。。。
ものすごく興味があり、今日電話してしまいました。現在、在庫は1つ。価格は150万円とのことでした。電話で応対してくれた方ははっきりとはおっしゃいませんでしたが、在庫が無くても注文すれば同じモデルを作ってくれそうな感じでした。価格はモデル別ではなく素材や出来によって楽器毎に決めるので、同じモデルでも同一価格とはならないそうです。
正月休みに上京して、検討してみたいと思いましたが、12/28~1/4までお店はお休みなので実現不可能なのが残念です。
リバースは、ガルネリ・カノンモデルを弾いたことがあります。本物を弾いたことがないので(当たり前か…)音が似ているかどうか判りませんが、音色は新作にしては角が取れた感じの音でした。それよりも、仕上げ(ニスの剥げやペグホールの修正等)をコピーに徹ししすぎているところに妙に感動しました。行き過ぎた仕上げを除けば、楽器としては、よくできた普通の楽器だったと思います。
ものすごく興味があり、今日電話してしまいました。現在、在庫は1つ。価格は150万円とのことでした。電話で応対してくれた方ははっきりとはおっしゃいませんでしたが、在庫が無くても注文すれば同じモデルを作ってくれそうな感じでした。価格はモデル別ではなく素材や出来によって楽器毎に決めるので、同じモデルでも同一価格とはならないそうです。
正月休みに上京して、検討してみたいと思いましたが、12/28~1/4までお店はお休みなので実現不可能なのが残念です。
リバースは、ガルネリ・カノンモデルを弾いたことがあります。本物を弾いたことがないので(当たり前か…)音が似ているかどうか判りませんが、音色は新作にしては角が取れた感じの音でした。それよりも、仕上げ(ニスの剥げやペグホールの修正等)をコピーに徹ししすぎているところに妙に感動しました。行き過ぎた仕上げを除けば、楽器としては、よくできた普通の楽器だったと思います。
[8182]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月26日 00:29
投稿者:ぽち(ID:EwAnMhI)
なんと!カノンモデルがあるんですか!ほしい・・・(笑)。でもリバース、やっぱり高いなぁ。外見はもちろん、音も本物に近づけようとした末の価格なんでしょうけれど。100万以下で外見コピーのモデルできないかなぁ。音はアマチュアミドルクラスレベルでいいから。150万~200万だったらやっぱりモダンかオールドが欲しいもの・・・。
[8185]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月26日 01:47
投稿者:ぱがにに(ID:MZIGVDI)
パガニーニの遺言には、愛器「カノン(カノン砲)」は自分の死後ジェノヴァの市役所に寄贈して誰にも弾かせてはならない、と書かれていたそうですが、死後100年が経過した頃から、徐々に演奏されるようになりました。カノン砲を使用して演奏したCDも発売されてます。
それにしても、カノン砲のリバースまで作られているとは驚きました。天国のパガニーニもびっくりしているのでは?遺言守ってくれー!とつぶやいているかも・・・。
ヤナリウス・ガリアーノのリバースを見たことがありますが、かなり手が込んでいて、遠くから見ると200年くらい経過したオールドのように見えました。ステージ上でプロが弾いてたら本物のオールドと見間違うかも知れません。
でも近くで手にとって見ると、そこまで古くは見えませんでしたが、いい感じに年をとっているように見えました。それは150万円で売られてましたが、ここまでリアルに古さを醸し出すのにかかった手間を考えると妥当かな、とは思います。100万円以下でこういうレプリカを作るのは無理ではないかと思われます。
音は、新作ともモダンともオールドとも言えないよう、新しいようで古いような不思議な音がしてました。時々オールドちっくなある種のコモリ、キシミが感じられたのですが、全体的に音は健康的で大きかったです。
音と見た目を総合的に考えると高くはないな、と思いました。
天国のパガニーニには申し訳ないですが、カノン砲モデルには心惹かれますぅ。あとメサイア(メシア)のリバースなんてのも話題性十分かなー。メサイアは無傷の完全品だから、キズをつけたりする余計な手間が省けるでしょうから、カノン砲のリバースを作るよりもずっと簡単なのかなー、と素人的には考えたりします。そういう意味では、デ・デュランテのリバースもキズつけ処理に手間がかからないから150万円で出せるのだらうか?予想では特別モデルってことで250万円ぐらい?とか思ってたんだけどね。誰か文京楽器さんんで試奏してきたら感想書き込んでね。あと千住先生がデ・デュランテのリバースを見てどんな感想を言ったか知りたいところですね。
それにしても、カノン砲のリバースまで作られているとは驚きました。天国のパガニーニもびっくりしているのでは?遺言守ってくれー!とつぶやいているかも・・・。
ヤナリウス・ガリアーノのリバースを見たことがありますが、かなり手が込んでいて、遠くから見ると200年くらい経過したオールドのように見えました。ステージ上でプロが弾いてたら本物のオールドと見間違うかも知れません。
でも近くで手にとって見ると、そこまで古くは見えませんでしたが、いい感じに年をとっているように見えました。それは150万円で売られてましたが、ここまでリアルに古さを醸し出すのにかかった手間を考えると妥当かな、とは思います。100万円以下でこういうレプリカを作るのは無理ではないかと思われます。
音は、新作ともモダンともオールドとも言えないよう、新しいようで古いような不思議な音がしてました。時々オールドちっくなある種のコモリ、キシミが感じられたのですが、全体的に音は健康的で大きかったです。
音と見た目を総合的に考えると高くはないな、と思いました。
天国のパガニーニには申し訳ないですが、カノン砲モデルには心惹かれますぅ。あとメサイア(メシア)のリバースなんてのも話題性十分かなー。メサイアは無傷の完全品だから、キズをつけたりする余計な手間が省けるでしょうから、カノン砲のリバースを作るよりもずっと簡単なのかなー、と素人的には考えたりします。そういう意味では、デ・デュランテのリバースもキズつけ処理に手間がかからないから150万円で出せるのだらうか?予想では特別モデルってことで250万円ぐらい?とか思ってたんだけどね。誰か文京楽器さんんで試奏してきたら感想書き込んでね。あと千住先生がデ・デュランテのリバースを見てどんな感想を言ったか知りたいところですね。
[8191]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月26日 10:09
投稿者:天音のパパ(ID:EWkAUBE)
すんません。どなたか、教えてください。
リバースの限らず、コピーモデルというのは、どこがどういう風にコピーなのですか?
スズキ君ですら、ストラドのモデルとなっています。(笑)
リバースの限らず、コピーモデルというのは、どこがどういう風にコピーなのですか?
スズキ君ですら、ストラドのモデルとなっています。(笑)
[8292]
Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月27日 21:04
投稿者:ばよりん奉行(ID:FUEGdWU)
天音のパパ殿へ。詳しく教えて進ぜよう。
コピーには、ある楽器のモデル(型)で製作するコピーと、ある特定の楽器と全く同一と言っていいくらいに真似して製作するレプリカがあるのじゃ。
スズキバイオリンだけでなく、日本製、外国製を問わず大半の新作楽器は、いわゆるコピー楽器なのじゃ。ストラディヴァリウスやガルネリウスのコピーが圧倒的に多いが、ガダニーニやアマティーのコピーも時々見かける。ここで話題になっておるピグマリウスもストラディヴァリウスやガルネリウスのコピー楽器じゃ。
だが、製作者=職人の中には、いくらコピーとは言っても完全なコピーでは面白くないということで、多少自分なりのオリジナリティー(個性)を加える者も結構おるのじゃ。それが成功している場合もあるが、えてして失敗していることが多いのじゃ。なぜなら、ストラディヴァリウスやガルネリウスのような完全性を備えた楽器には、もうそれ以上余計な個性など不要じゃからな。
モラッシーもビソロッティも基本的にはストラディヴァリウスのコピー楽器じゃが、多少オリジナリティーを加えておる。この2人の有名製作者はそれぞれのオリジナリティーを上手くストラディヴァリの個性と融合させておると言えよう。でも彼らとて人間じゃからいつも上手く行くとは限らんのじゃ。オリジナリティーを加え過ぎて失敗している場合もあるのじゃ。何事も控えめが肝心じゃのう。pochi殿が、モラッシーを十数台弾いたことがあるがコンサートで使えると思ったのは1本しかなかった、と言われておるが、有名製作者と言えども、ストラディヴァリウスの完璧な個性に自分独自のオリジナリティーを加えるのは困難なのじゃ。
スズキバイオリンもピグマリウスも、製品に職人独自の個性を加えることは禁止されておるので、良い意味でも悪い意味でも精巧なコピーが出来あがるのじゃ。どの職人が作ってもだいたい同じようなコピー楽器が出来あがるというわけじゃ。
じゃが、本当に楽器を見る目(センス)のある人が、スズキバイオリンやピグマリウスを見れば、1台ずつ微妙に個性が異なることがわかるものじゃ。いくら厳密に製作基準に沿って作ったとしても、製作する職人ごとに微妙な個性の差が出てしまうのが、ヴァイオリンというものなのじゃ。同じ150万円のスズキバイオリンでも、ある楽器は300万円楽器に負けない音がするものの、別の楽器では100万円程度の楽器と同等レベルの音しか出ない、というようなレベルの差が生じてしまうのじゃ。
スズキバイオリンの最高級の楽器である150万円の楽器を弾いたことのある方は非常に少ないと思うが、わしが何台か弾いた限りでは、出来の良いものと出来の悪いものの差が少なくて、なかなか立派な楽器じゃった。出来の良いものは200万円台の外国製の楽器と互角の勝負ができるし、出来の悪いものでも同価格帯の外国製品に劣ってはおらん。日本ではスズキバイオリンは分数楽器でお世話になる人がやたらと多いが、大人になると長年のご恩を忘れて外国製に寝返る輩が多いのは残念の極みじゃ。悪いことは言わん、200万円の予算がある人はスズキバイオリンの高級品も候補に加えてみなされ。200万円のビソロッティの息子の楽器を買ったとしても、安い弓で我慢するくらいなら、150万円のスズキバイオリンに50万円の良い弓を組み合わせた方が上達できるぜよ。
ここはピグマリウスの掲示板じゃから、ピグマリウスについても触れておかねばならんのう。ピグマリウスは、スズキバイオリン以上に忠実にコピーに徹しておるのう。製作している職人は自分自身の個性を徹底的殺してアントニオ・ストラディヴァリになったつもりで製作しておるのじゃろう。文京楽器殿は本物のストラディヴァリウスやガルネリウスを多数販売してこられたし、そういう名器を所有しているプロ奏者との親交が篤いから、ピグマリウスを作っている職人は時々手元にストラディヴァリウスなどの名器の実物を置きながら製作していることもあるじゃろう。単に写真でストラディヴァリウスを研究しただけでは、あそこまで精巧なストラディヴァリウスコピーは作れんものじゃ。ピグマリウスはコンピューターによる3次元解析で収集した多数の名器のデータも活用していると言うが、たしかにそういうデータも精巧なコピーを作るのにはある程度役だっておるじゃろう。じゃがやはり名器の実物にじかに触れることによって得られるインスピレーションのようなものが重要なのじゃ。職人の手に直接伝わってくる名器の波動(鼓動)をどこまでその職人が再現できるかにかかっておるのじゃ。
本当に美味い寿司を食ったことのない奴に寿司が握れるはずがないのと同様に、本物の名器を触ったことのない職人に名器そっくりのコピーが作れるはずがないのは自明の理というものじゃ。この例えは非常にわかり易いじゃろ。
いずれにしてもコピーに徹するという点ではスズキバイオリンよりもピグマリウスの方が上を行っておると言えよう。どちらもコピー楽器としては優れておるが、スズキバイオリンは素朴で無骨な感じに好感が持てるし、ピグマリウスはより洗練されていてコピーとしての忠実度で勝っていると言えよう。
ではレプリカとはどんなものか解説しよう。レプリカは、特定の名器、例えば千住女史の愛器デュランティを、キズやニスの剥げ具合、楽器の歪み、板の割れ具合、修理跡に至るまで徹底的に真似して作った楽器のことじゃ。レプリカは本来は人をだます目的で作るわけではござらんから贋作とは言わんのじゃ。もちろん人をだまして大金を儲けるためにレプリカを作って本物と偽って販売している悪い輩も皆無とは言えぬ。残念なことじゃが、せめて皆さんはだまされんように気をつけなされ。
レプリカは本物の名器そっくりに作ることで名器の雰囲気を擬似体験して楽しむことが目的じゃ。デュランティのような名器の本物は年末ジャンボ宝くじの1等と前後賞が当たったとしても容易には入手できんものじゃが、150~200万円のお金を出せば、名器そっくりのレプリカは買えるのじゃ。
リバースは良く出来たレプリカじゃと思うが、レプリカはコピーよりも作るのが難しいものじゃ。そのため出来にむらがあるのが難点じゃ。キズをつけて古く見えるようにし過ぎるとわざとらしく見えてしまうし、キズやニスの剥がしをあまり控えめにしてしまうと普通のコピー楽器とあまり変わらなくなってしまうし、とにかくそのへんのジレンマがあるのじゃ。
非常に良く出来たレプリカは見た目だけでなく音までが本物そっくりになることがある。そういう楽器に出会えたらある意味ではかなり幸運ではあるが、悲しいことに、本物の名器とレプリカを同じに弾き比べるチャンスがあるわけではござらんから、似てる似てないは主観的な判断にならざるを得ないのじゃ。写真(コンサート)で見たデュランティに似てる、CD(コンサート)で聴いたデュランティに音が似ている、と購入者が思えばそれで良いのじゃ。すごく似てると思えば多少高くても高いとは思わんものじゃ。
これは面白い皮肉じゃが、ある特定のストラディヴァリウスのレプリカであるリバースと、ストラディヴァリウスの精巧なコピーであるピグマリウスを20年くらい使って適度にキズがついたりしたものを見比べると、長年使われたピグマリウスの方が、状態の良い本物のストラディヴァリウスに似ているように見えるのじゃ。
これはレプリカはキズのつけ方、ニスの剥がし方がよほど絶妙じゃないとどうしてもわざとらしく見えてしまうからなのじゃ。年月の経過とともに自然についたキズ、自然に剥がれたニスの自然な古さの方が楽器に風格や貫禄を与えるという実例と言えよう。
ピカピカの新作は嫌じゃ、最初から古っぽいのが欲しい、という人にはレプリカを、長年じっくりと弾き込んで自然な形でオールドっぽくして行きたい人にはコピー楽器を薦めよう。
偉そうに書いてきたが、実は、わしも恥ずかしながら30年が経過したピグマリウスを見たとき最初はモダンイタリーの楽器かと思うてしもうたのじゃ。音もなんとなく古い感じがしたし、ニスもさりげなく剥がれていて貫禄があるように見えたのじゃ。手にとってラベルを見るまでは30年前のピグマリウスだとは全然わからんかったぞ。30年前(物価が高騰するオイルショック以前じゃぞ!オイルショックと言うても何のことか知らん若人もおるじゃろう・・・)には定価50万円くらいだったはずじゃが、これと同じレベルの音の楽器を現時点で買おう思うたら、300万円では全然足りんじゃろう。500~600万円のモダンイタリーの所有者でさえも羨むようなよう聴き心地の良い練れた音じゃった。そんだもんだからてっきりイタリアのモダン楽器かと早とちりしてしもうたのじゃ。それにしても、名器の忠実なコピーというのは年月を経るといい化け方をしよるのぉ、と思い知らされたものじゃ。
近い将来どう化けよるか予想できる目と耳を持った人にとってはコピー楽器は重宝するじゃろう。とにかく良い楽器を手に入れたければたくさんの楽器を偏見なく見て弾いて勉強することじゃ。中国で作っているかもしれんようなラベルだけクレモナの怪しげな楽器に大金払う買うくらいなら、安全安心の国産ビーフ、ではなくて日本製の優秀なコピー楽器を買った方が得じゃと思うぞ。
試奏するのは無料(タダ)じゃから、スズキバイオリンやピグマリウスをいろんな店で弾きまくってみなされ。可能であれば借りて家で弾きまくってみなされ。バカ高いイタリア製のヴァイオリンなど買う気が失せてくるじゃろう。スズキバイオリンやピグマリウスの高級品に負けないようなイタリア製の新作楽器が見つかったら、それはすごい掘り出しものじゃから買いであろう。要するに名ばかりじゃない本当に優秀なイタリア楽器を判定するためのリトマス試験紙としてスズキバイオリンやピグマリウスを使うということじゃ。
そういうことをしているうちに、ピグマリウスってかなり使えるじゃん、これよかいい楽器なんて全然ねえじゃん、クレモナ新作なんて名ばかりのガラクタじゃん、という結論に達するじゃろうがのう。まあそれも正しい結論に達する1つの方法じゃ。メイドインジャパンの優秀性を日本人が知らずしてどうするのじゃ。世界で一番手先が器用なのは何人か、良く考えてみなされ。幼少の頃から毎日難しい箸の使い方で指先手先を鍛えておる日本人が器用なのは当たり前田のクラッカーじゃ。皆さんは、フォーク、スプーン、ナイフのような幼稚な道具でさえ不器用にしか使えん西洋の大男大女の手先を見たことがあるかのう。あんな手で細かい作業を黙々と続けるヴァイオリン製作をしておるのかと思うとかわいそうになってくるぜよ。
もちろん外国人でも名工と言われる連中は箸の使い方もすごく上手いのじゃ。わしら生粋の日本人が恥じるほど美しく箸を使う西洋の名工がおるぞ。
そうそう西洋のヴァイオリンの名手で親日家の人も箸の使い方がえらい上手で妙に感心してしまうが、西洋人でも特に器用な連中は日本人と同じくらい器用なのじゃな。器用さが同じならイマジネーションの優れた奴の方がいい音楽を奏でられるっちゅうことじゃろう。となると日本人から真の名ヴァイオリニストを出現させるためには器用さではなくてイマジネーション能力を高めねばならんな。こりゃ難しいわい。
ちと脱線したがまだ何かわからんことがあったら聞いて下され。
コピーには、ある楽器のモデル(型)で製作するコピーと、ある特定の楽器と全く同一と言っていいくらいに真似して製作するレプリカがあるのじゃ。
スズキバイオリンだけでなく、日本製、外国製を問わず大半の新作楽器は、いわゆるコピー楽器なのじゃ。ストラディヴァリウスやガルネリウスのコピーが圧倒的に多いが、ガダニーニやアマティーのコピーも時々見かける。ここで話題になっておるピグマリウスもストラディヴァリウスやガルネリウスのコピー楽器じゃ。
だが、製作者=職人の中には、いくらコピーとは言っても完全なコピーでは面白くないということで、多少自分なりのオリジナリティー(個性)を加える者も結構おるのじゃ。それが成功している場合もあるが、えてして失敗していることが多いのじゃ。なぜなら、ストラディヴァリウスやガルネリウスのような完全性を備えた楽器には、もうそれ以上余計な個性など不要じゃからな。
モラッシーもビソロッティも基本的にはストラディヴァリウスのコピー楽器じゃが、多少オリジナリティーを加えておる。この2人の有名製作者はそれぞれのオリジナリティーを上手くストラディヴァリの個性と融合させておると言えよう。でも彼らとて人間じゃからいつも上手く行くとは限らんのじゃ。オリジナリティーを加え過ぎて失敗している場合もあるのじゃ。何事も控えめが肝心じゃのう。pochi殿が、モラッシーを十数台弾いたことがあるがコンサートで使えると思ったのは1本しかなかった、と言われておるが、有名製作者と言えども、ストラディヴァリウスの完璧な個性に自分独自のオリジナリティーを加えるのは困難なのじゃ。
スズキバイオリンもピグマリウスも、製品に職人独自の個性を加えることは禁止されておるので、良い意味でも悪い意味でも精巧なコピーが出来あがるのじゃ。どの職人が作ってもだいたい同じようなコピー楽器が出来あがるというわけじゃ。
じゃが、本当に楽器を見る目(センス)のある人が、スズキバイオリンやピグマリウスを見れば、1台ずつ微妙に個性が異なることがわかるものじゃ。いくら厳密に製作基準に沿って作ったとしても、製作する職人ごとに微妙な個性の差が出てしまうのが、ヴァイオリンというものなのじゃ。同じ150万円のスズキバイオリンでも、ある楽器は300万円楽器に負けない音がするものの、別の楽器では100万円程度の楽器と同等レベルの音しか出ない、というようなレベルの差が生じてしまうのじゃ。
スズキバイオリンの最高級の楽器である150万円の楽器を弾いたことのある方は非常に少ないと思うが、わしが何台か弾いた限りでは、出来の良いものと出来の悪いものの差が少なくて、なかなか立派な楽器じゃった。出来の良いものは200万円台の外国製の楽器と互角の勝負ができるし、出来の悪いものでも同価格帯の外国製品に劣ってはおらん。日本ではスズキバイオリンは分数楽器でお世話になる人がやたらと多いが、大人になると長年のご恩を忘れて外国製に寝返る輩が多いのは残念の極みじゃ。悪いことは言わん、200万円の予算がある人はスズキバイオリンの高級品も候補に加えてみなされ。200万円のビソロッティの息子の楽器を買ったとしても、安い弓で我慢するくらいなら、150万円のスズキバイオリンに50万円の良い弓を組み合わせた方が上達できるぜよ。
ここはピグマリウスの掲示板じゃから、ピグマリウスについても触れておかねばならんのう。ピグマリウスは、スズキバイオリン以上に忠実にコピーに徹しておるのう。製作している職人は自分自身の個性を徹底的殺してアントニオ・ストラディヴァリになったつもりで製作しておるのじゃろう。文京楽器殿は本物のストラディヴァリウスやガルネリウスを多数販売してこられたし、そういう名器を所有しているプロ奏者との親交が篤いから、ピグマリウスを作っている職人は時々手元にストラディヴァリウスなどの名器の実物を置きながら製作していることもあるじゃろう。単に写真でストラディヴァリウスを研究しただけでは、あそこまで精巧なストラディヴァリウスコピーは作れんものじゃ。ピグマリウスはコンピューターによる3次元解析で収集した多数の名器のデータも活用していると言うが、たしかにそういうデータも精巧なコピーを作るのにはある程度役だっておるじゃろう。じゃがやはり名器の実物にじかに触れることによって得られるインスピレーションのようなものが重要なのじゃ。職人の手に直接伝わってくる名器の波動(鼓動)をどこまでその職人が再現できるかにかかっておるのじゃ。
本当に美味い寿司を食ったことのない奴に寿司が握れるはずがないのと同様に、本物の名器を触ったことのない職人に名器そっくりのコピーが作れるはずがないのは自明の理というものじゃ。この例えは非常にわかり易いじゃろ。
いずれにしてもコピーに徹するという点ではスズキバイオリンよりもピグマリウスの方が上を行っておると言えよう。どちらもコピー楽器としては優れておるが、スズキバイオリンは素朴で無骨な感じに好感が持てるし、ピグマリウスはより洗練されていてコピーとしての忠実度で勝っていると言えよう。
ではレプリカとはどんなものか解説しよう。レプリカは、特定の名器、例えば千住女史の愛器デュランティを、キズやニスの剥げ具合、楽器の歪み、板の割れ具合、修理跡に至るまで徹底的に真似して作った楽器のことじゃ。レプリカは本来は人をだます目的で作るわけではござらんから贋作とは言わんのじゃ。もちろん人をだまして大金を儲けるためにレプリカを作って本物と偽って販売している悪い輩も皆無とは言えぬ。残念なことじゃが、せめて皆さんはだまされんように気をつけなされ。
レプリカは本物の名器そっくりに作ることで名器の雰囲気を擬似体験して楽しむことが目的じゃ。デュランティのような名器の本物は年末ジャンボ宝くじの1等と前後賞が当たったとしても容易には入手できんものじゃが、150~200万円のお金を出せば、名器そっくりのレプリカは買えるのじゃ。
リバースは良く出来たレプリカじゃと思うが、レプリカはコピーよりも作るのが難しいものじゃ。そのため出来にむらがあるのが難点じゃ。キズをつけて古く見えるようにし過ぎるとわざとらしく見えてしまうし、キズやニスの剥がしをあまり控えめにしてしまうと普通のコピー楽器とあまり変わらなくなってしまうし、とにかくそのへんのジレンマがあるのじゃ。
非常に良く出来たレプリカは見た目だけでなく音までが本物そっくりになることがある。そういう楽器に出会えたらある意味ではかなり幸運ではあるが、悲しいことに、本物の名器とレプリカを同じに弾き比べるチャンスがあるわけではござらんから、似てる似てないは主観的な判断にならざるを得ないのじゃ。写真(コンサート)で見たデュランティに似てる、CD(コンサート)で聴いたデュランティに音が似ている、と購入者が思えばそれで良いのじゃ。すごく似てると思えば多少高くても高いとは思わんものじゃ。
これは面白い皮肉じゃが、ある特定のストラディヴァリウスのレプリカであるリバースと、ストラディヴァリウスの精巧なコピーであるピグマリウスを20年くらい使って適度にキズがついたりしたものを見比べると、長年使われたピグマリウスの方が、状態の良い本物のストラディヴァリウスに似ているように見えるのじゃ。
これはレプリカはキズのつけ方、ニスの剥がし方がよほど絶妙じゃないとどうしてもわざとらしく見えてしまうからなのじゃ。年月の経過とともに自然についたキズ、自然に剥がれたニスの自然な古さの方が楽器に風格や貫禄を与えるという実例と言えよう。
ピカピカの新作は嫌じゃ、最初から古っぽいのが欲しい、という人にはレプリカを、長年じっくりと弾き込んで自然な形でオールドっぽくして行きたい人にはコピー楽器を薦めよう。
偉そうに書いてきたが、実は、わしも恥ずかしながら30年が経過したピグマリウスを見たとき最初はモダンイタリーの楽器かと思うてしもうたのじゃ。音もなんとなく古い感じがしたし、ニスもさりげなく剥がれていて貫禄があるように見えたのじゃ。手にとってラベルを見るまでは30年前のピグマリウスだとは全然わからんかったぞ。30年前(物価が高騰するオイルショック以前じゃぞ!オイルショックと言うても何のことか知らん若人もおるじゃろう・・・)には定価50万円くらいだったはずじゃが、これと同じレベルの音の楽器を現時点で買おう思うたら、300万円では全然足りんじゃろう。500~600万円のモダンイタリーの所有者でさえも羨むようなよう聴き心地の良い練れた音じゃった。そんだもんだからてっきりイタリアのモダン楽器かと早とちりしてしもうたのじゃ。それにしても、名器の忠実なコピーというのは年月を経るといい化け方をしよるのぉ、と思い知らされたものじゃ。
近い将来どう化けよるか予想できる目と耳を持った人にとってはコピー楽器は重宝するじゃろう。とにかく良い楽器を手に入れたければたくさんの楽器を偏見なく見て弾いて勉強することじゃ。中国で作っているかもしれんようなラベルだけクレモナの怪しげな楽器に大金払う買うくらいなら、安全安心の国産ビーフ、ではなくて日本製の優秀なコピー楽器を買った方が得じゃと思うぞ。
試奏するのは無料(タダ)じゃから、スズキバイオリンやピグマリウスをいろんな店で弾きまくってみなされ。可能であれば借りて家で弾きまくってみなされ。バカ高いイタリア製のヴァイオリンなど買う気が失せてくるじゃろう。スズキバイオリンやピグマリウスの高級品に負けないようなイタリア製の新作楽器が見つかったら、それはすごい掘り出しものじゃから買いであろう。要するに名ばかりじゃない本当に優秀なイタリア楽器を判定するためのリトマス試験紙としてスズキバイオリンやピグマリウスを使うということじゃ。
そういうことをしているうちに、ピグマリウスってかなり使えるじゃん、これよかいい楽器なんて全然ねえじゃん、クレモナ新作なんて名ばかりのガラクタじゃん、という結論に達するじゃろうがのう。まあそれも正しい結論に達する1つの方法じゃ。メイドインジャパンの優秀性を日本人が知らずしてどうするのじゃ。世界で一番手先が器用なのは何人か、良く考えてみなされ。幼少の頃から毎日難しい箸の使い方で指先手先を鍛えておる日本人が器用なのは当たり前田のクラッカーじゃ。皆さんは、フォーク、スプーン、ナイフのような幼稚な道具でさえ不器用にしか使えん西洋の大男大女の手先を見たことがあるかのう。あんな手で細かい作業を黙々と続けるヴァイオリン製作をしておるのかと思うとかわいそうになってくるぜよ。
もちろん外国人でも名工と言われる連中は箸の使い方もすごく上手いのじゃ。わしら生粋の日本人が恥じるほど美しく箸を使う西洋の名工がおるぞ。
そうそう西洋のヴァイオリンの名手で親日家の人も箸の使い方がえらい上手で妙に感心してしまうが、西洋人でも特に器用な連中は日本人と同じくらい器用なのじゃな。器用さが同じならイマジネーションの優れた奴の方がいい音楽を奏でられるっちゅうことじゃろう。となると日本人から真の名ヴァイオリニストを出現させるためには器用さではなくてイマジネーション能力を高めねばならんな。こりゃ難しいわい。
ちと脱線したがまだ何かわからんことがあったら聞いて下され。
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Re: ピグマリウス
投稿日時:2003年12月28日 13:37
投稿者:学生(ID:QFOAMYI)
スズキバイオリンの高級品ってスズキメソッドの先生達が愛用してるんですかー?50万円以上のスズキバイオリンは一度も見たことがないし、周りに使っている人もいないので、どういう人が購入しているのか知りたいんですけど。ばよりん奉行さんの書き込み読んでると、イケテル楽器のようなので気になってマブ。
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